「ギフティング」や「タイアップ商品」の落とし穴。お金をもらっていなくても税金が発生するって本当?

SNSのDMに届く「PR案件のご相談」。 企業から無料でコスメやアパレル、高級なガジェットを提供してもらい、それを紹介する。一見、フリーランスのインフルエンサーやクリエイターにとっては嬉しい仕事に思えますよね。

ここで多くの人が勘違いしている、恐ろしい事実があります。 「お金(ギャラ)をもらっていないから、確定申告(売上の計上)は必要ない」――これは大間違いです。

実は、1円も現金を受け取っていなくても、企業から無料で提供された「モノ(商品)」そのものが収入とみなされ、税金がかかるケースがあるのをご存知でしょうか?

今回は、多くのインフルエンサーが知らないうちに足元をすくわれる「ギフティング」と「タイアップ商品」の仕組みについて、財務コンサルタントの視点からわかりやすく解説します。

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なぜ「タダでもらったモノ」が収入とみなされるのか?

結論から言うと、税法には「経済的利益」という考え方があります。

現金をもらっていなくても、「本来ならお金を払って買うべき価値のあるモノ」を無料で手に入れた場合、一般的には「その価値の分だけ現金を稼いだのと同じ(収入があった)」とみなされてしまうのです。

例えば、企業から「10万円の高級美容家電」をギフティングされ、その代わりにSNSで紹介したとします。この場合、あなたの手元には現金はありませんが、会計上・税務上は「10万円の報酬(売上)を受け取った」として処理しなければならないケースが非常に高いのです。

すべてが対象?売上になる・ならないの境界線

「じゃあ、送られてきたサンプルは全部申告しなきゃいけないの!?」と不安になりますよね。 安心してください。ここには明確な「境界線」があります。ポイントは「対価性(見返り)があるかどうか」です。

■ 課税対象(売上)になる一般的なケース

  • 「商品を送るので、Instagramでリールを1本投稿してください」という条件がある
  • 事前に契約書やメールで「紹介すること」が約束されている
  • 提供された商品をそのままフリマアプリなどで転売して現金化した

これらは、あなたの「紹介(PR業務)」という労働に対して、企業が「商品」で支払った(バーター取引)とみなされるため、原則として事業の売上になります。

■ 課税対象にならない一般的なケース

  • 企業が「良かったら使ってください」と勝手に送ってきただけで、投稿の義務は一切ない
  • イベントの全員配布でもらった試供品(サンプル)
  • 1回使ったら消費して残らない、ごく少額の消耗品

このように、明確な「見返りの義務」がない場合は、単なるギフト(贈与)の扱いになり、事業の売上として計上する必要はありません。(※ただし、あまりにも超高額な場合は贈与税など別の税金がかかるケースもあります)

ギフティングの一般的な「会計処理(記帳)」の考え方

では、実際に対価性のあるギフティングを受けた場合、帳簿にはどう記録すればいいのでしょうか?一般的な考え方は以下の通りです。

  1. 「売上」にする金額はいくら?
    もらった商品の「定価(市場で売られている価格)」が、そのままあなたの売上(収入金額)になります。非売品の場合は、同等の商品の流通価格で評価します。
  2. 「経費」にできるの?
    ここが一番のポイントです。
    その商品を「PRのために使い切った(またはレビュー後に破棄した)」のであれば、売上と同額を「広告宣伝費」や「研究開発費」として経費に落とすことができます。(結果としてプラスマイナスゼロになり、税金は発生しません)

【危険なNGパターン】
レビューした後も、自分の私物として私生活でガッツリ使い続けている場合や、ブランドバッグなどをずっと所有している場合は、経費として認められず、「売上だけが残って税金が増える」ということになりかねません。

税務署は「SNSの投稿」を見ている

「でも、手元に物があるだけなら税務署にはバレないでしょ?」 そう思った方は、今すぐその考えを捨ててください。

近年、税務署はインフルエンサーやクリエイターの調査に非常に力を入れています。彼らがまずどこを見るかというと、あなたのSNSのアカウント(過去の投稿履歴)です。

「#PR」がついた投稿や、あきらかに企業から提供された高級品を紹介している投稿をリストアップし、「この商品、売上に上がっているか?」をチェックします。さらに、商品を送りつけた企業側への調査から、あなたへギフティングされたデータが芋づる式に発覚するケースが後を絶ちません。

グレーなまま放置せず、プロの財務基盤を手に入れよう

ギフティングやタイアップは、あなたのインフルエンサーとしての価値が認められた証拠であり、素晴らしいビジネスです。だからこそ、「知らなかった」で後から追徴課税を支払うような悲しい事態は絶対に避けなければなりません。

「自分のこの案件は大丈夫かな?」 「過去のギフティング、正しくデータ化できているか不安…」

当ラウンジ(Keitaro Uchikawa Advisory Lounge)では、こうしたSNSマーケティング特有の複雑なお金の管理から、あなたの大切なビジネスを守るための財務・バックオフィスサポートを行っています。具体的な税務判断や確定申告につきましては、当ラウンジが窓口となり、提携税理士としっかり連携してスムーズに対応いたします。

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※本記事は公開時点の法令・情報に基づいて執筆した一般的な情報の提供を目的としており、個別具体的な税務判断や税務相談(独占業務)を提供するものではありません。

※その後の法改正等により内容が変更となる場合があります。実際の税務処理や確定申告にあたっては、必ず最新の情報をご確認いただくか、お客様の顧問税理士またはお近くの税務署・税理士等にご相談ください。本記事の情報によるいかなる損害についても、当ラウンジは一切の責任を負いかねます。

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