クリエイター同士の「共同プロジェクト」で失敗しない売上分配と経理ルールの基本
仲の良いクリエイターやインフルエンサー同士でチームを組み、1つの大きなプロジェクトを立ち上げて収益を上げる――。非常にエキサイティングで素晴らしい挑戦です。
しかし、その「売上の分配」を「仲間内だし、後で適当に分け合えばいいよね」と口約束やどんぶり勘定で処理していると、事業運用上大きなリスクを抱えることになります。経理処理や税務申告の段階になってお金のやり取りの実態が証明できないと、メンバー全員の確定申告や事業会計に大きな混乱が生じるためです。
なぜ共同プロジェクトのお金管理は曖昧になりやすいのか。注意すべき主なポイントと、トラブルを防ぐためのスマートな運用ルールを解説します。
代表者名義の口座に入金された場合、「誰の売上か」が曖昧になる
共同プロジェクトの売上は、多くの場合、プラットフォームや取引先から「代表者1人の口座」に一括で振り込まれます。会計上、まずは「入金を受けた代表者の売上」として記録されるのが一般的です。
証明資料がない送金は「事業上の経費」として整理しにくい
代表者が入金された売上からメンバーへ分配金を送金する際、客観的な証拠(契約書や請求書)が存在しないと、会計上で「外注費」や「売上原価」として正しく集計できない可能性があります。
経理上の根拠がないお金の移動は、事業上の経費として認められないケースがあり、結果として代表者個人の負担が増えたり、受取側の処理をどうすべきか迷うことになります。
契約内容によって「外注」か「共同経営」かの整理が変わる
メンバーへの分配金を事業上のコスト(外注費等)として扱う場合、実態としてどのような契約・役割分担になっているかが重要です。
- 業務指示や作業時間の拘束が細かく規定されているか
- 成果物に対する「請求書」がメンバーから代表者へ発行されているか
- プロジェクトの事業リスク(赤字など)をどう分散しているか
これらによって、単なる「業務委託(外注)」なのか、「給与的な性質」なのか、「共同事業の利益分配」なのか整理が変わってきます。適切な会計処理を行うためにも、事前のルール決めが欠かせません。
メンバー間で処理や認識がズレると手続きが混乱する
確定申告の際、メンバー同士で認識がズレていると帳簿の整合性が取れなくなります。
- Aさん(代表者):「あれはプロジェクトの『外注費』として支払いました」
- Bさん(メンバー):「いや、あれは一緒にやった事業の『利益の山分け(分配)』です」
- Cさん(メンバー):「生活費を一時的に『借りた』だけです」
このように認識がバラバラだと、後からの確認や修正に多大な労力がかかってしまいます。
友情とビジネスを守るための「3つの運用ルール」
仲が良いからこそ、最初にお金とルールの境界線を引いておくことが、お互いの信頼関係を長く守る一番の方法です。共同プロジェクトを始める際は、必ず以下の3点を用意しましょう。
①契約書(共同事業契約・業務委託契約)を交わす
「誰がどんな役割を担い、売上をどのような比率や条件で分配するか」を書面(電子契約も可)で明確にしておきます。
② メンバーから代表者へ「請求書」を必ず発行する
分配金を支払う・受け取るタイミングで必ず請求書を発行・保管し、金銭移動の客観的な証拠を残します。
③会計・確定申告の処理方針を統一しておく
「外注取引として処理するのか」「共同経営の分配とするのか」をあらかじめ確認し、全員が同じ認識で記帳・申告を行える状態にしておきます。
スマートな事業運営のパートナーとして
「クリエイティブに集中したいけれど、契約書やお金のやり取りのルール化が難しくてわからない」
Keitaro Uchikawa Advisory Lounge では、クリエイターやインフルエンサーチームの共同プロジェクトにおける、スムーズでトラブルのない事業運用・管理スキームの構築をサポートしています。
本気の挑戦を長く続けるために、まずは正しいバックオフィス・契約ルールの設計から始めてみませんか。
